やらかしました。(2回目の沈)SUPが転覆しても被害を最小限に食い止める対策を公開します
やらかしました。もう2度としないと思っていた、沈をしでかしてしまいました。自分の中ではもう、SUPが海でひっくり返った時の対策は万全で、もう2度としないはずだと思っていたのですが、やらかしてしまいました。その時は突然でした。
主な原因はSUP4年目だという慢心から
今回SUPで沈をした原因は、完全にSUPに慣れて、波がある状況にも慣れてきているという慢心からでした。というのも、この日も当然釣り目的で海に朝から来ていたのですが、予想以上に風が吹いていて、砂浜に打ち付ける波は、内房ながらなかなかうねりがまとまっている状態でした。
この海の状態で、SUPフィッシングで海に出ても危険だと判断したので、風が弱まる昼前までSUPサーフィンをして遊ぶ事にしたんです。
小さなウネリでも乗れるSUPサーフィン、それはそれは楽しかったです…。しかし、この波への慣れが、今回の沈に少なからず繋がる事となってしまいました。
タックルの被害
タックルの被害は、最小限に抑えられたのですが、愛用しているエクスセンスDCとワールドシャウラがボードから落ちて、海に引きずり込まれました。今回、ロッドが折れる事はなかったのですが、リールの被害がそこそこありました…。
完全に壊れたわけではないのですが、タックルを落としたのは波打ち際。海中では砂が巻き上がっているエリアです。砂がリールの内部に侵入してしまい、ハンドルの巻き感覚が
ゴリゴリシャリシャリ
あぁ…。これはやってしまった…。細かい細かい海の砂が、リールに侵入し、最悪な状態になってしまいました。しかし、最近のリールの作りはすごいのか、すぐに真水にどぶ漬けで洗うと、何とか動くようにはなりました。今現在、ある程度分解して水洗い中。果たしてエクスセンスDCのあのヌルヌルな巻き心地が戻るのか心配すぎますが、もし分解洗浄で戻る事がなければオーバーホールを業者さんに依頼するしかないと思います。
2回目の沈の後に考えた対策
初めて外房の海で沈した時以降、様々な対策を考えていたつもりではあるのですが、どうやらまだまだ甘かったみたいです。何か危険や不安要素がある場合は、最悪のケースになりうる事を想定して、SUP転覆に対しての対策が必要だと感じました。
さらに追加した対策は以下の4つです!これからSUPフィッシングを始める方も、今SUPフィッシングをやっている方も、参考にできると思いますのでご覧ください☺️
①アンカーをすぐに外せる仕様にした
波のパワーはすごいです。膝波サイズの小さい波でも、大きなSUPボードをひっくり返したり、大人ひとりが制御できない位、色んな方向に動かすには充分なパワーを持っています。
今回の沈では、ボードからおりてバランスを崩した時に、アンカーが波に持っていかれ、余計海から出るのを難しくしてしまいました。
アンカーを引っ張って戻そうにしても、来る波と戻る波にアンカーが引っ張られボードが制御不能。次から次に波が来て、ボードに波が被ってしまう状態…。すぐ外せるようにしていれば、このような事態にはなっていなかったかもしれません。
今回の沈の経験から、アンカーはSUPから外しやすい仕様にしました。海から上がる時は、外したらライフジャケットと体の間に押し込んで、SUPには影響がないようにしました。
②ロッドベルトを持っていく事にした
私はクーラーボックスやロッドホルダーを積まない、できるだけコンパクトなSUPフィッシングのスタイルです。ロッドはボードの上にそのまま置くスタイルだったのですが、これからはロッドベルトを持っていく事にしました。
ロッドが長ければ長いほど、SUPを転覆させた時に折れるリスクが高まります。はずして短くできる2ピースや3ピースのセパレートタイプなら、予想できなかった荒れた海況になってしまっても、短くする事で折るリスクを少しでも軽減する事ができます。
③フラッグを外してロッドホルダーにロッド刺すのも考える
分割する事ができない1ピースロッドの場合はまた別の方法を考えないといけません。私の場合、フラッグはDAISOの折りたたみロッドに掲げていて、RBBのウエストバッグに付けたロッドホルダーと、カルティバのライフジャケットに固定しています。
海から出る時は、フラッグはロッドホルダーから抜いて、代わりにロッドホルダーを刺す事で、1ピースロッドでもより安全に海から出られます。
④防水バッグを常に装備した
入り口をクルクル巻いて最後にカチッと止めるバッグです。DAISOにも売っている優れ物で、多少の水が入る事はありますが、大事な物を入れておくには水浸しにしないという役割は充分にを果たしてくれます。
(今回の沈でも、この防水バッグにリールを入れていたら砂まみれにさせてしまう事はなかった…泣)
ロッドからリールまではずして海から出るのは面倒なのですが、実際どんな状況に出くわすか分かりません。自然相手の遊びなので、常に最悪のケースを想定、想像し、万全な対策はしておいた方がいいです。
沈した時の海況
では、沈した時の状況を説明します。
海に着いた時、風は4〜5m程度は吹いている感覚。通常、内房の海は穏やかな日が多いのですが、この日はウネリが入り、SUPフィッシングをするには少し荒れている状態でした。
気象状況
この日の風予報は、
朝、北よりの風が少し吹いて、
昼、止み、
夕方、風向きが変わって南から強めに吹く予報
天気予報アプリの風予報は…
- Yahoo!天気 風速3〜4m
- ウェザーニュース 風速3〜4m
- Windy 風速2〜4m
全体的に、どの気象情報も朝は4m程度風が吹く予報で、SUPフィッシングをするには少し風が強めの状況。現地に到着すると、実際は風速5mは吹いていそうな状況でした。
波の状況
サイズにするとひざ〜もも位のサイズでした。波高0.5m位でしょうか。前日までの南風の影響なのか、しっかりとまとまったウネリが入ってきていました。内房の海の波はパワーも弱めですぐできてはすぐ消えやすいのですが、SUPサーフィンはできそうなほどのしっかりとしたウネリがこの日は入っていました。
普段、内房の海にここまでのサイズの波がある事は多くありません。
クルージングやSUPサーフィンをするには何ら問題ない波なのですが、SUPフィッシングをするにはあまりよろしくない波でした。
予想できなかった風向きと風速
そして問題だったのが、予想できなかったオンショアの風と風速でした。
天気予報では、昼すぎから南風が入って強まる予報だったのですが、この日入ってきたのは西風。浜に向かう風なので沖に流される事はないのですが、オンショアの風は海面をグチャグチャにします。特にこの日みたいなウネリが残っている状態では、波打ち際はウネリと風波が重なって特に危険な状態になります。
そして訪れた2度目の沈
- 対策は万全だと思い込んでいた
- この波なら大丈夫だと思い込んでいた
- 装備の待避を怠った
自分の慢心と重なってしまった悪条件から、2回目のSUPの沈は起きました。
重なってしまった波打ち際の悪条件
この日、自分が沈した原因は、SUPに慣れてきたという事で現れた慢心は間違いないのですが、他にも、波打ち際での悪条件もありました。それが、風波に隠されたウネリと、引き波、パラシュートアンカーです。
風で海面がグチャグチャになりウネリ本体が分からない
海からあがる時は、ウネリが来ないタイミングを見計らいます。しかし、今回は海から吹くオンショアの風が厄介でした。
オンショアの風波は、波がまとまらず、グチャグチャした状態で、押し寄せる周期も非常に短いです。常に海が波立った状態になり、ウネリ本体がどこにあるのかほとんど分からない状態に。
海から出るタイミングがほとんど読めず、オンショアの風に流されて、波が割れるポイントまでどんどんと押されてしまっていました。
引き波と寄せ波で目の前がくらんだ
最終的には、もう波に乗っていくしかないと決め、足がつくエリアまでなんとか戻ったまでは良かったのですが、足を着いた瞬間に意識が朦朧としました。
引き波の戻る絵面と、寄せ波の打ち寄せる絵面が視界に入って、平衡感覚がなくなったんです。
ここでバランスを崩し、よろけている間に、あっという間に次の波が後ろから来てしまい、タックルとパラシュートアンカーが海中に持っていかれました。
パラシュートアンカーにボードの自由を奪われた
私が使っているパラシュートアンカーは結構サイズの大きいタイプです。12.6フィートのボードを使っているので、今まで使っていた小さいサイズではボードが安定させる事はできず、大きめのサイズにしました。
今回は、このパラシュートアンカーにボードの自由を奪われてしまいます。
海に持っていかれたパラシュートアンカーは持ち上げようとするボードの抵抗になり、全くあげる事ができませんでした。ボードは波に持っていかれ、アンカーごとボードも引っ張られます。短い周期の風波が次々と押し寄せる中、最初にしなければいけない事は、パラシュートアンカーをボードの上に置く事でした。
コントロールを失った大きく長いSUPボードの動きを止めるのは、かなり大変で危険です。両足でボードの流れる進路をふさいで、両手でボードを持ち、何とか陸にあがる事ができました。
波打ち際は最も危険なエリア
波打ち際はパワーを溜め込んだ波が一気に解放される場所です。沖から向かってきた波が、バッシャーンと一気に割れる瞬間が1番パワーがあり、1番危険なエリアでもあります。
海に出る時は波が見えてタイミングを掴みやすいのでまだ良いので、海から出る時は、風や波の力に押されたり、単純に後ろからの波はとても見ずらいので、タイミングを掴むのがかなり難しくなります。
SUPは出る時より戻る時の方が難しいです。
大前提として、そもそも波がある時にSUPフィッシングをするのはやめておきましょう。今回のケースは、さまざまな悪条件が重なったケースでもあるのですが、悪条件が簡単に重なってしまうのが自然です。危険を感じたら海に出ない決心をする事がなによりも大切です。
SUPがひっくり返るのは誰しもが絶対に経験します
SUPがひっくり返ってしまう事を、カヤックやSUPでは『沈する』というのですが、この沈するのは、必ずいつかはあなたも絶対に経験します。絶対にです。
沈してもタックルを壊してしまったり、落として回収不能にしてしまわないように、工夫した装備の固定方法や、SUPを扱う技術、色んな海況への対応能力が必要になってきます。
SUPをひっくり返してタックルを海に沈めてしまうのは良く聞く話なのですが、実際にあなたの身にこの事態が訪れた時、どこまで小さい被害でやり過ごせるかを考える事が大切。
想像してみてください…
今まで揃えたタックルを海に沈めてしまったら…
散らばったルアーを海で遊ぶ誰かが踏んでしまったら…
嫌ですよね。沈は誰しもが絶対に経験します。実際に起きてしまった時に、どれだけ被害を最小限にできるかをどんどん工夫してみてください!そうすると、スキルアップにも繋がり、安全性も伸びていきます。
道具を積まず、SUPとパドルだけで海に行ってみて下さい。SUPや波、風の感覚を体全体で感じてみて下さい。波に乗ったり、海に落ちるのも勉強のひとつです。SUPを買っていきなり道具を積んで海に出ていませんか?私も沈しているので偉そうな事は言えませんが、経験者として少しでも伝わればと思っています。
SUPフィッシングははまだまだ未開の部分が多いアクティビティです。どんな装備をSUPに持っていくか考える事も、楽しみのひとつだと思います。
私の装備も少しずつ全部紹介していくつもりですので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです!
1回目の沈はSUP2年目の2021年
私が初めてSUPをひっくり返してしまったのは2021年でした。SUPを始めて2年目、色んなポイントを開拓していた時期。そんな時に訪れた外房の海。波のサイズはもも〜腰サイズ。外房の波はパワーがあります。もともとサーフィンをしていたので、このサイズは余裕だと思っていたのですが、甘かったです。
この1回目の沈の時は、ロッドを折ってしまっています。