ハマる人はハマる!天候急変しても無事に帰って来られるSUP釣り超変態装備
SUPフィッシングを初めて5年目。
装備の積み方を色々試してきたけど、最終的に1番身軽で、急な海況変化でも無事に帰って来れる装備が出来上がったので紹介するよ。
なかなか変態でマニアックなSUP装備なので、気にいる方は少ないかもしれないけど、ハマる人はバッチリとハマる装備なので、これからSUPフィッシングを始める方や、コンパクトで動きやすいSUPフィッシングの装備を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。
私が今まで試してきたSUP釣りの装備
最初は私もクーラーボックスをSUPに縛り、SUPの前方に何かしらのカゴを置いてやるSUPフィッシングスタイルだった。本当に色々試したと思う。100均で色んな小物も買ったし、ホームセンターで試行錯誤もした。
何も知らない初心者時代
始めてSUPフィッシング始めた時に積んだ写真がこれ。後ろにクーラーボックスを置いて、ヒモで縛り付けてた。これがほんと始めたてのSUPフィッシング装備。フラッグの付け方とかも色々試してたけど、この時は最終的にクーラーボックスを改造して付けてた。ルアーとかも小物類も全部クーラーボックスに入れてた。
初めてのハードSUP
次は、初めてのハードタイプのSUPを買っての装備。インフレータブルでSUPフィッシングしてた時に、大きいシーバス掛かって、ギャフで獲った時に一緒にSUPも刺してしまい、修理もうまくできなかった事と、インフレの危険を感じてその次は、初めてのハードタイプのSUPの装備がこの写真。クーラーボックスはメイホウのタックルボックスに変更。魔改造したクーラーボックスより安定しそうという事で採用。とても使いやすくて良かったのだが、防水性能はないので、転覆時の事を考えて使用しなくなっていった。この時から徐々に、タックルボックスを積まないスタイルを試行錯誤し始める。
ついにタックルボックスを排除
そして最終的に、クーラーボックスは撤去して、ストリンガースタイルだけのスタイルに。フラッグはウエストバッグのロッドホルダーに挿していた。自分では武将スタイルって言ってたけど、挿したフラッグでバランスを持っていかれたていたのと、漕いでいるとフラッグがバタバタしてダサかったので、今のスタイルに至る。
そして今の変態スタイルへ
一時期排除したクーラーボックス。釣れた魚はストリンガーで繋いでいたけれど、サメが寄ってくるリスクと、魚の鮮度を保ちたいという事でたどり着いたのが、リュック型クーラーボックス。思いのほか、急に荒れた海面でも対処できるようになったり、SUP装備の持ち運びが格段に楽になったので、今の所ではベストなスタイルだと思っている。
色々失敗して、研究していくうちに、たどり着いたのがこのスタイル。
なぜこのスタイルなのか
では、なぜ私が頑なに動きやすくてコンパクトなSUP装備にこだわり続けているのかというと、以下の3つの理由から。
- SUP釣りの準備と移動を楽にするため
- 転覆時した時に周りに危険を残さないため
- いつでも無事に生きて帰って来れるようにするため
では、ひとつずつ説明していく!
エントリーまでの移動が圧倒的に楽になる
距離も遠くなればなるほど大変だし、必然的に道具は置きっぱなしになってしまうので、盗難も心配。このスタイルは、準備をまとめてエントリーポイントまでの1回の移動だけで海に出られるようになるので、体力面でも精神面でもかなり楽。
- リュックはクーラーBOX兼用(魚探、飲み物、フラッグなど入れて移動)
- タモはリュックに縛りつける
- 片手にタックル1本とパドル
- もう片手にSUP本体
- ルアー、フィッシュグリップなどは全部ウエストバッグにまとめる
装備が少ないと言われているSUPフィッシングでも、準備するものはそれなりにある。
SUPの場合、基本的にはSUPを片手で持って、もう片手にはタックルや装備を持つ。荷物が増える分、エントリー場所と車への往復は増える。タモ、タックル、クーラーボックス、買い物カゴ、SUP本体がバラバラだと、往復回数は増えてしまう。
カヤックはドーリーというタイヤに積んで運んでいくので、装備を全部積み終わりさえすれば移動は比較的楽。
SUPにもドーリーを付けられなくはないのだが、そもそもSUPに載せてしまうと結果重くなって重量オーバーで転覆もしやすくなるし、そもそもかなり邪魔でまともに釣りできるレベルじゃなくなるのでおすすめはしない。なので、SUPフィッシングはできるだけ装備を減らしあ方が良い。
転覆した時に周りに危険を残さないため
ルアーに付いたフックやプライヤーやナイフ、波打ち際で転覆して回収できなかった釣り道具は、万が一踏んでしまった時の事を考えると、すべて凶器になってしまう。
波打ち際は一番転覆のリスクが高い。
SUPフィッシングをしている以上、転覆の可能性は常に考えないとダメで、海に散らばったルアーや金属製品、転覆した時にもし回収できず諦めて、数ヶ月後、波にもまれ砂浜に露出してしまったら、それはただの凶器。海で遊ぶ子供達や、他の釣り人が、カエシの付いたフックや、プライヤーなど、SUPアングラーが装備している道具をもし踏んでしまったらどうなるだろうか?
ただでは済まないケガをさせてしまう…。
だから、転覆した時に道具が海に散らばらない、落とさない工夫が必要。
波の力は人間が想像している以上に強い。向かって歩けるヒザモモ位の高さでも、簡単にSUPはひっくり返される。SUPフィッシングをしていると、必ず一度は着岸失敗の経験をすると思う。着岸のためのスキルを磨く事も大切だけど、転覆した時に、ルアーなどのあらゆる道具を海に残さないための装備がこの装備方法だ。
急に海が荒れても無事生きて帰ってきやすくするため
そして、1番大切な理由はこれ。
海で怖いの急な海況変化。予想できなかった風が吹いてしまうと、海はガチャガチャ波立ち、岸際では高い波が割れだす。ほんの数分間、天候急変があると、海はあっという間に表情を変える。牙を向いた時の自然相手では、人は本当にただただ無力。
しかし、どんな悪い海況になっても、私たちは無事陸に帰って来なければならない。
そのための装備こそが、今回紹介しているリュックスタイル。
風に立ち向かって漕げる
風はSUPの大敵。SUPは海面にボードが全部出ている分、とにかく風に流されやすい。ただでさえ流されやすいSUPなのに、より拍車をかけてしまうのがクーラーボックス。
クーラーボックスは、船が風の力を利用して進む時に使う「帆」の役割を持ってしまう。
確かに、天気アプリなどをよく見ておけば、天候急変は回避できる。それでも、所詮予報は予報。しっかり予報アプリを見ていても、いつかは絶対危険な状況を体験するのがSUP。
陸に戻らなきゃ!流されてる!と気付く時は、大体横風やオフショアの風で、エントリーポイントから離されている時。
風が吹いたら風に逆らって漕ぐ事が海況悪化では必要になってくる。「帆」の役割をしてしまうクーラーボックスが積んであると、より風を受けてしまい、戻るのが苦しくなってしまう。だから、コンパクトなSUP装備というのがより重要。
風やウネリで荒れた岸際でも俊敏に動ける
急に強い風が吹き始めると、海面は一気に荒れる。海から岸に吹くオンショアの風が吹いた場合、風で立った波がどんどん陸に向かっていき、ガチャガチャな海面になり着岸がかなり難しくなる。
エントリーより難しいのが荒れた時の着岸。波を読む力も必要だし、波をいなすバランス感覚やパドルワークも必要。荒れた海での着岸はとにかく難しい。
安全に着岸する方法は、割れる波とポイントをできるだけ避けて、足が着くエリアになったらボードを持つか引っ張って一気に波打ち際から離れる事。
カヤックの場合、フィンがないので降りたらカヤックの先端を持って一気に走って引っ張れるのだが、SUPはフィンがあるのでカヤックの様にはできない。クーラーボックスを積むスタイルだと、SUPを両手で持ち上げ、体の目の前に横に持って進んで行くしかない。これがまた重くて結構大変。買い物カゴを積むとさらに重くなり、持つのが大変で、モタモタしていると、また後ろから来た波をくらってしまう。SUPの後ろを持ち、180度回して一気に走り抜ける方法もあるけど、オンショアの波数が多い海況では結構難しい。
私が現在採用しているスタイルでは、タックルとアンカー以外の装備はリュックとウエストバッグにまとめているので、着岸時はすぐにタックルとパドルは左手に、SUPを右手に持つ事ができる。装備が重くSUPが持ち上げられないという事もない。波は次から次へとやってくる。とにかく早く波打ち際から離れられるので着岸がより安全。この装備に慣れて、かなり練習すれば、波に乗って帰ってくる事もできる。
着岸に成功した後は、そのままボードとタックルを持って車まで戻れる。細かい砂が着く事もほとんどないし、クーラーボックスや買い物カゴを一旦外して別々で車に持っていく必要もない。往復する必要もなくとても楽という機動性バッチリの装備!
縛るヒモが推進力を妨げる
SUPにクーラーボックスを固定する時の一般的な方法は、ぐるっとSUPにヒモを一周させて縛りつける方法。このやり方は、ヒモが抵抗になりSUPが前に進もうとするのを邪魔してしまうのでおすすめはしない。SUPにクーラーボックスを置くなら、Dリングが装備されてるSUPなら、推進力に干渉はしない。
私も色々なヒモで試してみたのだが、SUPを漕いでるとブルブルと変な音がして海と干渉したり、ずっと漕いでいて緩んでいないか不安になったりで、色々とストレスを感じてクーラーボックスを縛る方法はやめた。
コンパクトSUP装備を実現している2つのバッグ
とにかくまとめてコンパクトにする事で成立するのがこのスタイル。少しでも興味が湧いたなら、ぜひあなたにもやってみてほしい。私が色々試して、最終的に実用的で今も使っているのが下記の2つのバッグ。
色々なバッグを試したけれど、この2つのリュックとバッグが一番SUPの機動性を活かせる組み合わせ。
クーラーボックスは背負えるリュック型
まずはリュックから!
クーラーボックスを置かなくなってからは、釣れた魚はストリンガーに繋ぐスタイルを続けていたのだが、やはり魚の劣化と、サメを寄せてしまう可能性が心配だった。そして、色々探してたどり着いたのがこのRBBのWPフィッシュキャリーザックⅡ。
保冷力こそちゃんとしたクーラーボックスには劣るけど、エントリー場所までの移動の楽さ、海況悪化した時の着岸時の安全性と機動性の良さは圧倒的クーラーボックスよりこっちの方が上。
色々工夫すると、自分なりのかなり使いやすいリュックになるのでおすすめ!
釣り装備をまとめられるウエストバッグ
このバッグもRBB。RBBは、磯で使う事に焦点を当てた商品が多く、動きやすさと実用性が非常に高い。このロックショアウエストバッグも、前作と比べると、ルアーボックスも格段に取り出しやすくなり、腰ベルトの調整もめっちゃくちゃ楽になったのでより良いウエストバッグとなった。
このウエストバッグには、
- ルアーボックス2個
- フィッシュグリップ
- プライヤー
- 津本式ハサミ
- ラインブレイカー
- スマホと魚探用ミニバッグ
を付けている。ひとつのバッグに装備をまとめておく事で、限られたSUPのスペースがスッキリして、動きやすくなるし、あっちこっち色々探す余計な時間も無くなって本当に楽。
こんなに体に付けて海に落ちても大丈夫なの?
ここで気になるのが、ここまで体に装備を付けた状態で、万が一海に落水や、SUPが転覆した時に、沈んでしまうんじゃないか?という事。
私もこれは気になっていたので、実際に海に落ちて検証してみた。結果は、ちゃんとライフジャケットを身につけていれば全く問題なかった。WPフィッシュキャリーザックⅡを背負った状態では、リュックそのものも浮力体の役割をしてくれて、ライフジャケット装備時よりさらにしっかりと体が浮いた。
検証した時の写真
ロックショアウエストバッグには合計3kgの重りを入れて
RBBのWPフィッシュキャリーザックⅡには2ℓのペットボトル3本
この状態で落ちて、再乗艇できるか試した
もちろん再乗艇のスキルこそ必要ではあるが、すべての装備を身に付けたと想定した重さで落水しても全く問題はなかった。むしろ、WPフィッシュキャリーザックⅡを背負った状態では、浮力が増してより安全性に優れた言える。
リュックスタイルのデメリット
実際にこのスタイルをやっていて、感じているデメリットは以下の2点。
- 海に出てから装備整えるのは慣れるまで手間
- リュック背負いながらの立ち漕ぎはバランス崩しやすい
このスタイルは、エントリーポイントまでの移動を楽にする反面、そのまま海に出てSUPの上で装備を広げて整えるので、地に足がついていない分、少し大変に感じるかもしれない。
慣れてしまえば5分位で釣りができる状態になるんだけど、リュックを前後に移動したり、タモなどもリーシュを付けていない危険な時間帯が発生するので、そのタイミングこそ、このスタイルの一番の弱点で、バランスを崩しやすい時。慣れてしまえば楽だけど、最初は少し面倒に感じてしまうかもしれない。
ただ、SUPの上で道具を広げるのは、基本的に波が多少あってインサイドが荒れている時なので、フラットな海面の時は、エントリーポイントに着いたら海に出る前に道具をセッティングしても全然あり。
大漁で魚をたくさんリュックに入れた場合も、バランスを崩しやすくなる。先述の項目では、リュックにペットボトル3本(約6kg)の重さを入れて落水や漕ぎの実験をしたが、重くなればなる分、リュックを背負った状態ではバランスを取るのは難しくなる。特に、着岸時は転覆の危険が一番高いエリア。万が一嬉しい大漁でリュックが重くなったら、立ち漕ぎではなく立ち膝で漕ぐのがおすすめだ。その方がバランスを取りやすくなり、転覆と落水の危険が少なくなる。
いずれにせよ、慣れてしまえばとても便利なこのスタイルも、絶対に安全ではないし、SUPスキルは必要になってくる。
SUP釣り5年目にして理想のスタイル
メリットデメリットこそあるものの、SUPフィッシングではこのスタイルが一番良いと思っている。SUPならではの機動性や、準備と後片付けの楽さなど。SUPのメリットを最大限に活かせる装備が今回の装備。
このSUPフィッシングスタイルはマニアックすぎてかなりの変態スタイルだと思っている。しかし、慣れてしまえば、とても動きやすく、色々な海況に対応できるスタイルだというのは間違いない。
まだまだこれからさらに改良していく可能性はあるが、SUPフィッシングを始めて5年目。動きやすくてシンプルでコンパクト、急な海況悪化に対応できる理想のSUPフィッシングスタイルがこれ。
これからSUPフィッシングを始めたい!、SUPフィッシングの装備をもっと減らして動きやすくしたい!というあなたにこそ、ぜひ参考にしてみて欲しい!