危険と隣り合わせのSUP釣り。過去の事故を知って危険回避方法を学ぶ。
SUPフィッシングは、とにかく楽しい釣りです。
- 海に出たら混雑もなくてストレスフリー
- ナブラに一直線できる
- 魚もスレてなくて釣れやすい
とにかくメリットしかないSUPフィッシングですが、常に危険と隣り合わせの釣りでもあります。しかも、その危険は生命にかかわる危険という、かなり怖いもの。装備を怠ったり、自然を甘く見て油断してしまうと、命を落としかねない釣りなのです。
SUPでの事故はできる限り回避しましょう。
過去に確認されている事故事例は、海上保安庁の統計から、令和元年だけで16件もの事故が発生しています。この数字、決して少なくありません。16件のうち、1件は、残念ながら未だ行方不明となっています。決して侮ってはいけないアクティビティ、それがSUPです。
出来る限り危険を回避して、安全にSUPを楽しみましょう。
どうやって波に転覆させられるのか、海上保安庁があげている動画がとても参考になるので見てみてください。
https://youtu.be/8SvyQABpBf0
- 実際に起きたSUPの事故事例
- SUPで危険な目に合わない方法
過去に起きたSUPでの事故事例
令和元年の海上保安庁の統計では、SUPでの事故事例は16件うち命をおとした人数1人、カヤックの事故事例16件、うち命をおとした人数4人。
引用元:海上保安庁「海の安全情報」より
引用元:海上保安庁「海の安全情報」より
SUPの事故概要①帰還不能
SUPで起きる事故事例のほとんどがこの帰還不能です。風や気象状況の影響で沖に流され陸に戻れなくなる事例です。SUP、カヤックは風の影響を受けやすく、風が吹けばあっという間に流されていってしまいます。
SUPの事故概要②転落して漂流
SUPボードは浮力があり落ちにくいですが、万が一ボードから落ちてしまうと、ボードは浮力がある分すぐに遠くまで流されていきます。リーシュを付けていなければ、ボードにまた戻るのは難しいです。
ボードに戻れなければ、体1つだけで漂流してしまう事になってしまいます。そうなってしまうと、生存率はとても低いものになってしまいます。
SUPの事故概要③行方不明
潮の流れや風など、何らかの原因で沖に流され行方不明となった事故事例です。
SUPでの事故を回避するために
海での遊びは常に危険が隣り合わせにあります。何が原因で起きた事故だったのか?という事を知るのはとても重要です。
海での事故は、原因を知れば回避できます。
最新の天気予報を必ず見る
SUPとカヤックでの事故事例で一番多い「帰還不能」。帰還不能になる一番の要因は、気象、海況の把握不足です。
SUPを出す時は、必ず次の3つを確認しておきましょう。
- 風向き
- 風の強さ
- 波の高さ
SUPをやる前日、前日の夜、当日の朝、SUPを海へ出す直前。あとは、どれくらい海にいるかで数時間先の予報まで、確認するようにしてください。
SUPはあっという間に流されます、風が吹かない日なんてほとんどありません。風が吹く方向で波のでき方も変わり、流され方も変わります。常に風を意識する事が、事故を回避する方法です。
【関連】風速4mは危険フラグ。SUPは風速何mまでなら出せるのか?
安全装備を必ず身に付ける
SUPは安定性の高いボードですが、慣れないうちは転落します。もし慣れてきても油断は禁物です。思いがけない方向から波が来て、バランスを崩してしまえば、熟練者でも簡単にボードから落ちてしまいます。
必ず安全装備を身に付けましょう。
- ライフジャケット
- リーシュコード
ライフジャケットは、海に転落しても浮く事ができます。生身の体だけでは浮く事ができても、顔がかなり水面と近くなり、呼吸をするのが大変です。ライフジャケットは、絶対に付けましょう。
リーシュコードはボードと体を繋いでおくための物であり、命を繋ぐ物です。もしボードから転落したら、流されやすいSUPボードだけがどんどん流され、あなたとボードの距離はみるみる離れていってしまいます。たとえ泳ぐスキルがあったとしても、広い海での転落は恐怖でしかありません。
できるだけ1人では海に行かない
SUPフィッシングやカヤックフィッシング、クルージングは、どんどん沖に出る事ができて、今まで感じる事ができなかった自然を感じる事ができる最高のアクティビティです。
でも、想像してみてください。
海にSUPから転落して、リーシュコードも付けないままただひたすら海を漂う事になってしまったら…。風が急に吹き出して、どんどん沖に流され戻る事ができなくなってしまったら…。
あんな広い海に1人で取り残されるのは、とても怖いものです。しかも、連絡手段もなければ、ただ浮いてひたすら助けを待つしかありません。海には色んな生き物もいます。私は恐怖でパニックになる気がします。映画のような世界かもしれませんが、実際に行方不明者も出ているのがSUPフィッシング、カヤックフィッシングです。
SUPは、できるだけ複数人で行くようにしましょう。万が一転覆してボードに戻れなくても、連絡手段がなくても、1人じゃなく2人なら、生存確率も増えます。
危険を予測できるようになる事が大事
危険回避は危険予測です。車に乗っている時と同じです。
「この十字路、見通しが悪いからかなりスピード落として進んだ方がいいな。」
「止まってるバスの脇から降りたばかりの乗客が出てきそうだな。」
たくさん起こりうるであろう危険を予測しながら車は運転しているはずです。SUPフィッシングも同じです。
「この風向きならあっちに流されそうだ。」
「午後から風が吹き出すから、午前中だけの釣りにしよう。」
「低気圧が遠くにあるから、もしかしたらうねりが入って波が高いかもしれない。」
危険を回避するためには、どういった危険が起こりそうなのか、予測する事が大切です。予測するためには、ある程度の知識が必要です。
どうして朝と夕方は陸から海に風が吹きやすいのか?そもそもなぜ風は起きるのか?など、最低限の気象の知識を学んでおきましょう。
最低限の気象、海に関しての知識が学べる本はネットでもたくさんあります。私が読んでいるのはこの2冊です。
引き返す事は恥ずかしい事じゃない
危険や恐怖を感じたら、迷わず引き返しましょう。沖に出れば出るほど、陸地から距離が離れてしまい、戻るのが大変になります。引き返す事は恥ずかしい事ではありません。事故が起きる前に危険を察知できる事は、海で遊ぶ上で必ず必要なスキルです。
危険を感じたら戻って地に足をつけましょう。
海は危険な場所だと認識する
普段から私たちを楽しませてくれている大自然。海、山、川。大自然は時に、私たちにとても鋭い牙をむきます。常に優しいのが自然ではありません。一歩間違えれば命をおとす場所で遊んでいるという事を忘れないようにしてください。
できるだけ事故を起こさないために、最低限の装備と知識は身に付けておきましょう。
それでもSUPをやる理由
今回はさんざん怖い話をしてきましたが、SUPには、陸からでは感じる事ができない魅力がたくさんあります。海へ出れば、狙いたいポイントも行けるし、お隣さんのキャストしたコースを気にする必要もありません。しかも、圧倒的に釣れる可能性が高くなるのがSUPフィッシング!
やろうかどうしようか悩んでいたら、ぜひSUPの体験から始めてみてください。沖に出た事の感動と、波と風の音しか聞こえない静けさは、必ず感動できるはずです。今では、SUPの漕ぎ方や立ち方、方向転換など、いちから教えてくれるショップも増えてきています。最初から1人で始めるのではなく、必ずショップで体験をするか、知り合いの熟練者と一緒に海へ出ましょう。
>>>自分の町のSUP体験を探してみる!
最初は、誰もが分からない事だらけ。ひとつひとつ練習して海へ出てみましょう。その感動と静寂は、忘れられないものになります!